2026年8月1日「本当のさいわい」西川晶子牧師

礼拝説教

/2026年8月1日、2日  JELC平和の主日 礼拝説教要旨

「本当のさいわい」

ミカ書4:1-5、エフェソ2:13-18、マタイ14:13-

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ルーテル教会では、この八月第一週目を、平和主日として守ります
。「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする」…いのち
を奪う道具が、いのちを生み出す道具へと作り替えられる。これが神の
平和である、と聖書は記します。しかしこの世界の中では、この対極の
ことばかりが起こっているように思われます。大きな力が、いのちを圧
迫しようとする、現実がある。
そのような中、「パンと魚の奇跡」とか「5000人給食」と言われる出
来事を今日、私たちは分かち合います。このパンと魚の奇跡は、イエス
様が行われた奇跡の中でも、多くの人が印象深く覚えていて、語り伝え
られたものです。
もちろん簡単に信じることは難しい奇跡です。私たちはやはり現実を
見ます。この場にいた弟子たち、現実を見ています。彼らはイエス様に
「ここは人里離れた所で、私たちはわずかしか食料を持っていません」
これはきわめて現実的な判断です。しかしそこで、弟子たちの思いを超
えた出来事が起こる。
興味深いことに、福音書ははパンがどのように増えたかを語りません
。イエスがパンを裂いて渡した、そうすると、満たされた。ただ、それ
だけを語るのです。
しかもそれは、人の目に「行き詰まった」と思われたところで起こり
ました。このとき、イエス様がこの「人里離れたところ」に来られたの
は、洗礼者ヨハネが当時の権力者ヘロデによって、処刑されたことを聞
かれたからでした。当時の人々の目から見れば、これはイエス様の歩み
の「後退」に見えたでしょう。しかし、まさにその場所でイエス様によ
って恵みと憐れみの業が行われ、そこにいたすべての人がありあまるほ
どに満たされた。これが今日の福音の本質です。
大きな力が、ヨハネの命を奪い、イエス様の活動を圧迫する。しかし
、イエスはその退いた先でパンを裂いて配り、弟子たちの手を通して、
そこにいる人々を命で満たされたのです。たとえこの世界が、命を妨げ
るようなものに満ちていたとしても、神の憐れみは、その中において小
さくされた命を守り、私たちの思いを超えて養ってくださる。その憐れ
みが、私たちの希望です。その憐れみに信頼して、私たちも命を守り、
分かち合う歩みに押し出されたいのです。